LiveUSBで、軽量なPuppy Linuxを動かす。

2025-03-17ソフトウェアLinux

ファイルサイズも小さく動作も速い、Puppy LinuxをUSBメディアから起動しました。※解説はBookwormPup64。記載のバージョンは記事作成時のもの。

 

◻︎導入、動作環境
・ハードウェア/USB付きのパソコン ※HDDやSSDは無くても動作。
・OS/Puppy Linux
・ネットワーク環境
・有線キーボード、マウス

 

Puppy Linux。

特徴。

Puppy Linuxのシステムは、起動時にメモリー(RAM)にまるごとコピーして動作します。システムの設定や個人データを変更すると、終了時に差分のデータがメディアに保存されます。システムサイズは最大4GBまで。データの読み書きは最小限なので、大容量や高速転送のUSBメディアは不要です。

Puppy Linux wiki 詳しくはウィキペディア参照。

 

種類とダウンロード。

Puppy Linuxには多くの種類がありますが、特に理由がなければ最新版の導入がおすすめです。古いバージョンでは、ブラウザのサポートが終了してるため、動画の再生やオンラインサービスが使えません。主なディストリビューションは3種類。最初に入っているパッケージ(アプリ)が違うだけで、OSの基本的な動作は同じです。※後からカスタマイズも可能。

 

◻︎種類

最新バージョン ビルド 互換性
BookwormPup64 10.0 64bit ※32bit版もあり。 Debian系(Bookworm)
F96-CE_4 64bit Ubuntu系(Focal)
S15Pup64 22.12 64bit ※32bit版もあり。 Slackware系(ver15)

PuppyLinux HOME ダウンロードはHOMEのリンクから。

 

準備。

ダウンロード。

PuppyLinuxは日本語に対応していないので、日本語フォーラムから日本語化パッケージ「bookworm64_lang_ja-r9.pet」、LiveUSBドライブの作成ソフト「Unetbootin」もダウンロードします。※今回はbookworm64を使用。ディストリビューションによって、使用する日本語化パッケージも変更します。

 

LiveUSBの作成。

USBフラッシュドライブは8GB以上推奨。FAT32でフォーマットしておきます。Unetbootinを起動し、isoファイルとUSBドライブを選択。確認出来たらOKボタンを押します。※スペースは不要。

書き込みが完了したら、一度USBドライブを抜き、もう一度挿しこみます。USBドライブのフォルダを開き、日本語化パッケージ「bookworm64_lang_ja-r9.pet」をコピーします。

 

起動。

OSの起動。

Macの場合は「option」キー、Windowsは「F12」キーを押してブートローダーを起動します。有線キーボードがおすすめ。Wi-Fiタイプはキーを押すタイミングが難しく、Bluetoothタイプは使えません。※Windowsは機種やメーカーによって押すキーが異なる場合があります。起動出来ない場合、BIOSメニューを開き、USBメディアから起動出来るよう変更します。

ブートローダーでUSBメディアを選び、bookworm64を選択。しばらくするとPuppyが起動し「Quick setup」が開くので「Hostname」を変更。一旦メニューを閉じます。細かい設定は日本語になってから変更します。

 

日本語化。

USBメディアから、コピーしておいた日本語化パッケージ「bookworm64_lang_ja-r9.pet」を開きインストール。Xサーバーを再スタートします。日本語化されたらメニューから「Quick setup」を開き、各種設定を変更。ネットワークにも接続しておきます。

 

画面のブランク。

初期設定ではスクリーンセーバーがオンになっており、10分の無操作で画面がブランクになります。オフにする場合は、画面のコントール→Screen Saver→「Disable」を選択しておきます。

 

終了。

最初のシャットダウン。

OSを初めて終了する際に、システムの設定や個人データの保存ファイルを作成します。日本語化した時点で一度データを保存し、バックアップをとっておくと良いです。システムに不具合があっても、保存データを差し替えるだけで、すぐに復旧出来ます。

初めて終了する時は「保存する」を選択。2回目以降は、重要な変更がない限り保存する必要はありません。書き込み回数を減らせば、USBメディアの負担も軽減します。

 

特にこだわりがなければ、推奨設定のまま手順に従い進めて行きます。ブラウザや入力メソッドも設定しておくと良いかもです。

 

まとめ。

Puppy Linuxは一度起動すると、旧型のPCでもSSD並みの速さで動作します。必要なパッケージ(アプリ)も最初から揃っており、日常使いも出来そうです。ファイルサイズが小さいので、システムのバックアップも簡単。パッケージ(アプリ)は通常インストールも出来ますが、システムとは別のsfsファイルを作り、必要な時だけ読み込んだりも可能です。

 

その他の犬種。

◻︎Raspberry Pi

Raspup 8.2.1 Pi1-4用。32bit ラズパイ専用。新しい機種では動かない。カーネルのバージョンダウンが必要かも。SDカードでも動作確認。
EasyOS Dunfell 2.8.3 Pi4用。64bit 4.5.5はPC用。

ラズパイ用は、サポートが終了しています。現在はPi OSが優秀なので、導入しても使い道はありません。

 

◻︎EasyOS

EasyOS Daedalus 64bit ベータ版。今後に期待。
EasyOS Scarthgap OpenEmbedded のフォーク版。

EasyOSは、コンテナ型に仮想化したアプリケーションやシステムを、簡単に読み込む事が出来ます。通常のPuppyより、軽量かも知れません。EasyOS上で別のサブOSが動作。DaedalusとScarthgapの詳しい違いは不明。Daedalusはまだベータ版なので、伸び代がありそうです。